土地購入問題 小沢氏近く聴取 不要な融資 個人資金隠し?(産経新聞)

 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」が購入した土地をめぐる疑惑。収支報告書に記載がない億単位の資金が、小沢氏周辺で複雑な動きをしていたことが判明しつつある。なぜ、このような資金の流れが必要だったのか。土地購入資金の原資は何だったのか。東京地検特捜部は近く、小沢氏本人から参考人として事情聴取し、説明を求める方針だ。

 ■説明と取引矛盾

 特捜部が最も関心を寄せているのが、土地購入代金をめぐる小沢氏側の説明と、実際の金の流れが異なっている点だ。

 土地は陸山会が平成16年10月、東京都世田谷区の高級住宅街に約3億4千万円で購入した。小沢氏の自宅近くにあり、現在は小沢氏の秘書の寮が2棟建っている。

 小沢氏側は「定期預金を担保に銀行から借り入れた4億円を土地代金に充てた」と説明している。しかし、実際には小沢氏の個人資金約4億円を土地代金に充てていたことが、分かっている。

 関係者の話を総合すると、16年10月上旬、陸山会の会計事務担当だった民主党の石川知裕衆院議員(36)=北海道11区=が、土地代金が足りないことを小沢氏に相談。都内の事務所で小沢氏本人から約4億円を現金で受け取ったという。石川氏は10月5日、その中から1千万円余りを土地購入の手付金として支払い、残りの約3億8千万円を陸山会の複数の口座に入金。その後、1つの口座に集約した。

 そして、土地購入の代金決済日だった同月29日午前に、この中から残りの土地代金約3億3千万円を支払ったとされる。さらに、29日午後になって、陸山会の口座には複数の関連政治団体から約1億8千万円が入金された。ここまでは収支報告書には何も書かれていない。

 約1億8千万円の入金を受けた陸山会は、29日のうちに手持ちの資金と合わせた4億円で定期預金を組み、これを担保に小沢氏名義で同額の融資を受けていた。ここだけが収支報告書に書かれている。

 約2年半後の19年春ごろには、陸山会から小沢氏本人に4億円が返済されているが、こちらも収支報告書の記載はない。

 ■「故意ではない」

 複雑な資金の流れからはいくつもの疑問が浮かぶ。「小沢氏の個人資金で土地代を支払えるのに、なぜ定期預金を組んだうえに、利子まで払う必要がある融資を受けたのか」「土地購入に必要のない定期預金と融資に何の目的があったのか」−。

 特捜部は必要のない定期預金担保の借り入れは、小沢氏の個人資金を隠すための偽装工作だったとみて、小沢氏に理由や個人資金の原資についても説明を求める方針だ。不記載となったことへの認識も聴くことになる。

 すでに聴取を受けた石川氏は、不記載の事実を認める一方、「故意ではなかった」と犯意は否定しているという。

 ■ゼネコンとの関係

 なぜ、小沢氏の個人資金約4億円を収支報告書に記載しなかったのか。表に出したくない金だったのか。

 小沢氏の過去5年間の所得報告書を見ると、歳費などの収入は年平均3千万円程度で推移しており、億単位の資金を調達することは容易ではない。

 原資について特捜部が関心を寄せているのがゼネコンなど建設業界との関係だ。すでに今月5日、小沢氏の地元、岩手県奥州市で建設中の胆沢(いさわ)ダム工事に参入している鹿島や大成建設などゼネコン各社の担当者らの一斉聴取に乗り出している。

 胆沢ダムをめぐっては、小沢氏側が、水谷建設から工事受注の成功報酬として16年10月と17年春に計1億円の裏献金を受け取ったとされる疑惑が浮上している。16年10月は陸山会が土地を購入した時期にもあたり、疑惑が深まる一因になっている。

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